コンクリートジャングルとも言える都市の中心部で、本物の土を使って野菜を育てる。この一見大胆なコンセプトを実現させたのが、3階屋上テラスに鎮座する「六角農園」だ。単なる観賞用の屋上緑化ではない。年間を通じて数多くの品種が本格的に栽培され、実際に店舗やレストランの食材として供給されている。
この先駆的な取り組みを牽引してきたのが、創業者の田中法光氏だ。流通業者という立ち位置にとどまらず、自社で農業を手掛け、生産から消費までの距離を極限まで縮める。その熱いフィロソフィーが、この屋上農園という形で結実した。都市の真っ只中で作物が育つプロセスを可視化する「都市型農業(アグリビジネス)」の成功例として、国内外の食文化関係者から熱い眼差しが注がれている。