自分自身の筋機能がどれほど維持されているかを正確に把握している人は多くありません。内転筋の衰えは痛みを伴わずに静かに進行するため、気付いた時にはO脚の悪化や下半身のたるみとして表面化します。運動指導の現場でも採用されている、内転筋の衰えチェック方法として代表的な3つのテストを紹介します。
① 椅子座りペーパーホールドテスト
背筋を伸ばして椅子に浅く腰掛け、両膝の間にコピー用紙や薄いノートを1枚挟みます。手を使わずに脚の力だけで紙を挟み続け、足を床に平らにつけた状態でキープします。この姿勢を3分間維持できずに紙が落ちる、あるいは膝が小刻みに震え始める場合、内転筋の筋持久力は著しく低下しています。
② 靴底の摩耗パターン観察
日常的に履いているスニーカーや革靴の底を確認してください。かかとや前足部の「外側」ばかりが極端にすり減っている場合、歩行時に内転筋が使われず、荷重が外側の筋膜(大腿筋膜張筋や腸脛靭帯)へ過剰に逃げている確実な証拠です。
③ 閉眼片脚立ちでの骨盤傾斜チェック
両手を腰に当て、片脚を床から5cm浮かせます。浮かせた側の骨盤がガクンと下がる、もしくは軸足の膝が内側折れ(ニーイン)を起こしてバランスを崩す場合、内転筋群と中殿筋による骨盤支持バランスが破綻しています。
健康医療メディア『ハルメク美と健康』などの報道でも言及されている通り、加齢や女性ホルモンの変化が訪れる更年期以降は、筋肉量の減少が内転筋や骨盤底筋に顕著に現れます。脚を閉じて座り続けることが苦痛に感じられたり、電車の座席で無意識に膝が開いてしまう状態は、筋力低下がすでに日常の動作制御を脅かしている危険信号と受け止めるべきです。