ネット上の掲示板や育成論サイトで頻繁に見られる誤解のひとつが、「素早さは高ければ高いほど得をする」という極論です。しかし、過剰な素早さ投資は明確なデメリットを孕んでいます。
代表的な盲点が最速こだわりスカーフ比較における過剰配分です。たとえば、最速ウーラオスにこだわりスカーフを持たせると実数値は244に達します。これは最速ドラパルト(213)や最速135族(205)を余裕で抜き去る数値です。しかし、仮想敵がスカーフを持たない135族までであるならば、準速スカーフ(実数値223)で事足ります。性格を「ようき」から「いじっぱり」に変えて攻撃へ補正を回せば、乱数1発の撃破ラインが跳ね上がり、本来勝てない耐久ポケモンを突破できるようになります。
さらに見落とされがちなのが、追い風実数値ボーダーラインの計算です。追い風は場の素早さを2倍に引き上げますが、効果は発動ターンを含めてわずか4ターンしか持続しません。実質的に動けるのは3ターンです。追い風下で最速スカーフ持ちを抜くために必要な元の実数値は、実は「115〜120」程度で十分です。それ以上の数値を追い風前提のアタッカーに割くのは、努力値の完全な浪費といえます。
また、空間を完全に歪めるトリックルーム適正ポケモン比較も見逃せません。トリックルーム下では、素早さの実数値が低い順に行動します。ここで重要なのは「ただ遅いポケモンを採用すればいい」という単純な話ではない点です。コータス(最遅実数値22)やドヒドイデ(最遅実数値36)、ガチグマ(最遅実数値51)など、環境に存在する鈍足アタッカーの間でも緻密な「下取り合戦」が勃発しています。個体値0(逆V)厳選と下降補正性格の徹底は、トリル使いにとって努力値252振りと同等以上の価値を持っています。