東京・中央区の下町情緒が色濃く残る月島西仲通り商店街、通称「もんじゃストリート」。石畳の路地に赤提灯が揺れるこの通りには、50軒を超える専門店が軒を連ねている。かつて駄菓子屋の奥で子供たちが文字を書きながら焼いていた素朴なおやつは、時代を経て日本の食文化を代表する外食産業の一大ジャンルへと変貌を遂げた。
その激戦区において、伝統的な下町B級グルメの概念を根底から覆したのが「蔵」の登場だった。昔ながらのウスターソースベースが絶対的正義とされていた時代に、ホワイトソースやチーズ、生クリームといった洋の要素を果敢に持ち込み、鉄板の上で新たな小宇宙を完成させた功績は計り知れない。