大きな波紋を呼んだのは、40代を迎えた彼女が魅せた驚異的な役作りだった。ドラマ『その女、ジルバ』で見せた疲弊した女性と老齢のホステスの一人二役。目元の隈や肌の質感、猫背の立ち姿に至るまで、徹底的にリアルを追求した演出がそこにはあった。
画面に映し出されたのは、あまりにも人間くさい「生の姿」だ。完璧に作り込まれた美しさに慣れた現代の視聴者にとって、それはあまりにも生々しく、故に「体調を崩しているのではないか」という錯覚を抱かせたのだという。
化粧で飾ることを拒み、役に自我を捧げる姿勢。ルックスを綺麗に見せること以上に作品の現実感を優先する彼女の美学が、図らずも世間の誤解を招く結果となった。