五十肩の患者を最も精神的に追い詰めるのが、就寝中に襲ってくる「夜間痛(やかんつう)」です。寝返りを打つたびに激痛で目が覚め、慢性的な睡眠不足に陥るケースは少なくありません。ガッテンで紹介された「バスタオルを使った就寝姿勢の工夫」は、この夜間痛のメカニズムに直接アプローチする極めて合理的な知恵です。
夜間に肩が痛む主な原因は、以下の3点に集約されます。
・肩関節の後方への落ち込み:仰向けで寝ると重力で肘が背中側に落ち、炎症を起こしている前方の関節包や腱板が引き伸ばされて緊張する。
・肩関節の内圧上昇と虚血:関節内の圧力が上がり、血流が滞ることで発痛物質が停滞する。
・寝返り時の急激な捻じれ:無意識の寝返りで患部が下になったり、腕が体幹から離れて引っ張られたりする。
これらを防ぐために考案されたのが、バスタオルによる「すき間埋め」です。
【仰向け寝の場合のタオルポジショニング】
・折りたたんだバスタオル(厚さ5〜8cm程度)を、痛む側の「肘から手首の下」に敷き込む。
・ポイントは、肘の位置がお腹の高さより下がらないように支えること。肩が後ろに引かれず、少し前方に持ち上がる角度(肩甲骨平面)を保つことで、関節包の緊張が完全に抜けます。
【横向き寝の場合のタオルポジショニング】
・痛む肩を「上」にして横向きになる(患側を下にして寝るのは厳禁)。
・胸の前に大きな抱き枕や丸めたバスタオルを置き、痛む側の腕をその上に乗せて抱きかかえるようにする。
・腕が下垂して前方に垂れ下がるのを防ぎ、肩関節の内旋ストレスを遮断します。
「寝る前にタオルをセットするだけで、夜中に目が覚める回数が激減した」という声は医療現場でも日常的に聞かれます。湿布や内服薬と併用して行うべき、必須のセルフケアと言えます。