レックスというキャラクターに命を吹き込み、世界的な人気者へと押し上げた最大の功労者は、日米それぞれの卓越した表現力を持つキャスト陣です。
トイ・ストーリーのレックス英語声優を務めるのは、映画『プリンセス・ブライド・ストーリー』や数々の名作映画でバイプレイヤーとして知られる劇作家・俳優のウォーレス・ショーンです。彼の持ち味である甲高い鼻声と、知性を感じさせつつもどこか神経衰弱気味なトーンは、巨大な恐竜の口から発せられることで凄まじいギャップを生み出しました。
一方、日本のファンにとって代えがたい存在となっているのが、日本語吹き替え版を担当するレックス声優の三ツ矢雄二氏です。『タッチ』の上杉達也役をはじめ数多くの主役を演じてきたレジェンド声優ですが、レックス役で見せた芝居はまさに圧巻の一言に尽きます。極限状態に陥った際に見せる裏返ったハイトーンボイス、泣き言を漏らしながらも仲間を気遣う優しさ、そして畳み掛けるようなパニック演技は、三ツ矢氏ならではの唯一無二の表現領域です。
アニメーション制作現場の演出意図を深く汲み取り、原語の持つニュアンスを日本語のポップな言葉選びへ昇華させた三ツ矢氏の怪演があったからこそ、日本国内におけるレックスの愛され度は本国以上に跳ね上がったと評価されています。