シリーズの歴史を語るうえで避けて通れないのが、ドラえもん映画 旧作とリメイク版の比較経緯です。2005年の声優交代・制作スタッフの一新を経て、2006年に公開されたのが『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』でした。1980年の記念すべき第1作を完全リメイクしたこの試みは、公開当初、往年のファンから激しい警戒感と懐疑的な視線を向けられました。
結果としてのび太の恐竜 リメイク 評価は、映画評論家や新世代のファンから絶賛を浴びることになります。渡辺歩監督の手によって、キャラクターのデッサン崩しを恐れないダイナミックな手描き作画が採用され、のび太とピー助の「育てる親と巣立つ子」の関係性が心理的リアリズムをもって徹底的に掘り下げられました。旧作の武骨なアドベンチャー感に、現代映画特有のエモーションと疾走感が注入されたのです。
『新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)や『新・のび太の大魔境』(2014年)など、続くリメイク作品でも演出の洗練とキャラクターの動機付けの補強が行われました。一方で、旧作が持っていた「藤子・F・不二雄の乾いた叙情詩」「静かなる恐怖感」が、現代的な過剰演出やテンポの速さによって薄まったとする指摘も根強く存在します。しかし、過去の名作を現代の子供たちへ届ける架け橋として、リメイク路線はシリーズの寿命を数十年の単位で延ばす決定的な役割を果たしました。