ギターやウクレレの愛好家の間で、いまなお晴れたらいいね コードが熱心に検索され続けるのには、音楽理論的な明確な裏付けがあります。
原曲のキーはEメジャーですが、ギターでカポタストを用いたり、キーをCやGに移調したりすると、C、G、Am、F、Emといった入門用の基本コードだけで大部分が演奏可能です。この「誰でもすぐに輪に入って奏でられるオープンさ」は、キャンプファイヤーや音楽教室の題材として重宝される最大の要因となっています。
しかし、単に簡単であるだけではありません。中村正人による緻密なアレンジメントは、マーチングバンドのような躍動感あふれるスネアドラムと、ウォーキングベースラインを融合させています。さらに、フルートやアコーディオン調の音色を忍ばせることで、英国トラッドフォークやカントリーミュージックのような牧歌的な広がりを演出しています。
メロディラインには、日本の伝統的な「ヨナ抜き音階」に近い叙情的な節回しが巧みに組み込まれています。洋楽的な洗練されたブラックミュージックのリズムに乗せながら、日本人のDNAに刻まれた唱歌・わらべ歌の心地よさを同時に刺激する――この卓越したハイブリッド構造こそが、一度聴いただけで脳裏から離れない魔力を生み出しているのです。