工藤新一と毛利蘭の精神的な結びつきは、単なる幼馴染の枠組みを超越した関係性です。新一が姿を消している間、コナンの姿で彼女の隣にいながら正体を明かせない苦悩は、物語の最大のドラマツルギーを生み出してきました。
二人の関係が決定的に動いたのは、前述のロンドン編でした。感情を昂らせて涙を流す蘭に対し、新一が放った言葉は作中屈指の名言として語り継がれています。
「厄介なんだよオメーは!オメーは厄介な難事件なんだよ!余計な感情が入りまくって、たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!好きな女の心を…正確に読み取るなんてことはな!」
いかなる複雑怪奇な殺人トリックも冷徹な論理で解明してきた探偵が、愛する女性の心理だけは論理的に割り切ることができないと吐露した瞬間でした。この真っ直ぐな告白を受け、京都の清水寺を舞台にした「紅の修学旅行編」において、蘭は新一のネクタイを引き寄せて頬に口づけを返し、「これが私の返事…じゃダメかな?」と応じたのです。直後に送られた「付き合ってるって事で、いいんだよな?」という新一のメールに対し、蘭が「付き合ってるに決まってるじゃない!」と返信したことで、二人は正式な恋人同士となりました。