1970年代から80年代にかけて、杉田かおるはお茶の間の寵児だった。『パパと呼ばないで』の愛らしいチー坊役で一世を風靡し、『池中玄太80キロ』では多感な長女役を好演。さらに『3年B組金八先生』では、武田鉄矢が演じる熱血教師のクラスで中学生の妊娠というタブーに挑み、日本中を震撼させた。だが、どれほど役柄で話題を呼ぼうと、世間の目は「天才子役・杉田かおる」の枠組みから彼女を解放してはくれなかった。
成長とともに仕事が激減し、思春期の体型の変化や容姿への無遠慮な批評が容赦なく降り注ぐ。当時の日本の芸能界は、子役上がりのタレントが大人へ移行するプロセスに対してあまりにも不寛容だった。清純派の看板を掲げ続ける限り、待っているのは緩慢なフェードアウトしかない。彼女は自らの手で過去の偶像を破壊し、生身の自分を再構築する必要性に迫られていた。