なぜ米油はこれほどまでに熱や光に強いのか。その秘密は、精米過程で削ぎ落とされる米ぬかと米胚芽に濃縮された、類まれな天然抗酸化ネットワークにある。
特筆すべきは、米油固有のポリフェノール化合物「ガンマ-オリザノール」の存在だ。自律神経の調整や血中脂質の改善作用で知られるこの成分は、油そのものが熱によって劣化していく連鎖反応を強力にブロックする。油酔いと呼ばれる加熱時の不快な臭気成分(アクロレイン)の発生を劇的に抑えるのも、このガンマ-オリザノールの働きによるものだ。
さらに米油には「スーパービタミンE」と呼ばれるトコトリエノールが豊富に含まれている。一般的なトコフェロールと比較して数十倍から数十倍に及ぶフリーラジカル消去能力を持ち、細胞膜への浸透スピードも桁違いに速い。油を摂取すること自体が酸化ストレスを招くのではないかという懸念に対し、米油は自らが持つ抗酸化シールドによってそのリスクを相殺する構造を備えている。