かりゆし58『オワリはじまり』歌詞の真意と誕生秘話を徹底解説

かりゆし58『オワリはじまり』歌詞の真意と誕生秘話を徹底解説

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かりゆし58の代表曲といえば、母への愚直な感謝を歌い上げた『アンマー』が広く知られていますが、リスナーの間で「人生のバイブル」として並び称されるのが『オワリはじまり』です。もともとは2010年2月に発売されたシングル『雨のち晴れ』のカップリング曲(後にアルバム『シンリズム』等に収録)として世に出た楽曲でした。タイアップのない一曲のカップリングから口コミで火がつき、15年以上の時を経た今もなお、国民的な愛唱歌として歌い継がれています。

この名曲の核心部である「もうすぐ今日が終わる やり残したことはないかい」というフレーズは、決して他人へ向けた安易なお説教ではありません。楽曲を手がけたボーカル&ベースの前川真悟が、過酷なスケジュールと表現者としての重圧に押しつぶされそうになっていた時期、ホテルの部屋で独り、限界を迎えた自分自身に向けて振り絞った自問自答でした。

当時のインタビューやドキュメンタリー番組の証言によると、前川は日々の激務に追われる中で、「自分は今日という二度と戻らない一日を、本当に魂を込めて生き切ったのだろうか」という強い焦燥感に苛まれていたといいます。妥協して一日を終わらせようとする自分を奮い立たせ、心の傷口を開くようにしてノートに書き留めた言葉たち。それこそが、聴く者の胸を突く「オワリはじまりの原型」でした。

曲名にある「オワリはじまり」という言葉の真意は、終わりと始まりが表裏一体であるという哲学的真理を指しています。今日という24時間が終わる瞬間にしか、新しい明日のスタートラインは現れません。「終わり」を恐れるのではなく、それをしっかりと噛みしめて受け入れることこそが、次なる一歩を踏み出す唯一の引き金になる――。この痛切な覚悟が込められているからこそ、リスナーはふとした瞬間に涙を溢れさせてしまうのです。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。