良品計画とローソンが包括的な業務提携に向けた実証実験を開始したのは2020年6月のことでした。東京都内の直営3店舗からスタートした実験販売は、実験開始直後から文房具や肌着、スキンケア用品を中心に想定を大きく上回る売上を記録。2022年春から本格的な全国展開へと舵を切り、2024年までに関東・関西をはじめとする主要エリアから全国のローソン店舗(一部の特殊立地や小型店を除く)へと導入が完了しました。
2026年現在、ローソンにおける無印良品の展開は「物珍しいコラボ企画」の領域を完全に脱し、日用品や食品の定番インフラとして機能しています。導入初期には約50品目程度だった商品ラインナップも、現在では各店舗の立地や客層に合わせて150〜200品目へと拡充。単身者が多い都市型店舗ではスキンケアやレトルトカレーが手厚く配置され、住宅街の店舗では調味料や不揃いバウムなどの菓子類が主婦層やファミリー層の日常的な買い足し需要を支えています。
かつてのコンビニにおける雑貨コーナーといえば、「急な出張や宿泊でやむを得ず買う割高な緊急避難場所」という位置づけが一般的でした。しかし、無印良品の導入によってローソンの日用品売り場は「わざわざ目当てにして立ち寄る目的地」へと変貌を遂げたのです。良品計画にとっても、自社の大規模ロードサイド店やショッピングモールではリーチしきれない「日常の生活動線」を全国1万店舗以上の規模で手に入れることになり、両社にとって極めて高いシナジーを生み出す結果となりました。