物語のクライマックスにおける結末は、今なお「ホームドラマ史に残る完璧な引き際」として絶賛されています。ここではその結末の詳細と、物語の構造に隠された真のテーマを読み解きます。
物語の終盤、行方をくらましていた明の実父・五十嵐良介(宇梶剛士)が姿を現します。3人と明の間にはすでに本物の親子以上の絆が芽生えており、「このまま4人で暮らし続けたい」という葛藤が全員の胸を焼き尽くします。しかし前田前たちは、明の将来と本当の幸せを考え抜き、断腸の思いで実の父親の元へ明を返す決断を下します。
感動を決定づけたのが、駅のホームでの別れのラストシーンです。走り出す電車の中の明に向かって、涙を流しながらも笑顔で「ピース、ピース、スリーピース!」と全力で叫び続ける3人の姿。電車が遠ざかるまで指を掲げ続けたこの別れの場面は、単なるお別れではなく、「お前がどこへ行っても、俺たちの絆は絶対に消えない」という魂の誓約でした。
ここでネット上の議論でよく見られる「なぜ3人がそのまま引き取って育てるハッピーエンドにしなかったのか」という疑問について、制作上の重要な盲点を指摘しておく必要があります。本作が描きたかったのは「都合のいいおとぎ話」ではありません。赤の他人である若者たちが、子どもの人生を真剣に背負う覚悟を持ったからこそ、「実の父親との再生を後押しし、身を引く」という究極のやさしさを選んだのです。エゴによる囲い込みを拒絶したこの結末こそが、作品を単なるドタバタ喜劇から普遍の人間ドラマへと昇華させました。