放送当時、SNSやネット掲示板で激しい議論を巻き起こしたのが「これは完全なドキュメンタリーなのか、それとも台本のあるフィクション(やらせ)なのか」という点でした。結論から言えば、本作は高度に設計された「モキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)」の手法をベースにした作品です。
メガホンを取った山下敦弘監督と松江哲明監督は、山田孝之という生身の俳優が抱えるリアルな葛藤を出発点にしつつ、赤羽の住人たちとの予測不能なハプニングを巧みに編集。虚構と現実の境界線をあえて曖昧にする演出を徹底しました。
台本で決められたセリフを喋る「やらせ」ではなく、状況設定を与えられた山田孝之のリアルな反応をカメラで捉え続ける手法。この前衛的なアプローチこそが、放送批評懇談会が選定するギャラクシー賞で評価されるなど、映像業界の内外で絶大な評判を集めた核心と言えます。