一方の「ヤンデレ」は、2000年代半ばのアダルトゲームや深夜アニメコミュニティから生まれた比較的新しい造語です。「病み(精神的に病んでいる状態)」と「デレ(好意や照れを示す態度)」が合体したもので、「相手への好意が極限まで高まった結果、精神や行動が異常をきたす状態」を指します。
創作物における概念比較として、よく引き合いに出されるのが「ツンデレ」です。ツンデレが「素直になれず最初は突き放す(ツン)が、次第に好意を見せる(デレ)」という態度の時間的・心理的ギャップを楽しむ属性であるのに対し、ヤンデレは「好意(デレ)が過剰化・狂暴化して精神が歪む(病み)」という一方通行の暴走状態を指します。
ヤンデレキャラ代表例に見る狂気的な愛情表現
サブカルチャーの歴史においてヤンデレを象徴する存在となったのが、『未来日記』のヒロイン・我妻由乃や、『School Days』の桂言葉といったキャラクターたちです。彼女たちに共通するのは、「愛する対象のためなら自らの命すら惜しまず、同時に恋敵や障害となる周囲の人間を容赦なく排除する」という極端な行動規範です。
ヤンデレの心理において、世界の中心は常に「対象となる相手」にあります。相手が喜ぶなら自己犠牲を厭わない純粋さを持つ反面、相手を完全に自分の支配下に置きたいという独占欲が暴走すると、監禁や追跡といった狂気的な行動へ発展する危うさを秘めています。