来館者の間で語り継がれる「1日では絶対に回りきれない」という評判。その最大の理由は、みんぱくが単なる観光施設ではなく、「世界最大級の民族学研究所」としての実体をそのまま一般公開している構造にあります。
館内の常設展示場は、本館2階の広大なフロアに展開されており、展示スペースの総歩行距離は約5キロメートルに達します。世界を東回りに巡る地理的展示(オセアニア、米州、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジア、東アジア・日本の諸文化)に加え、音楽や言語をテーマにした通文化展示が配置されており、陳列されている現物資料だけでも約1万2000点にのぼります。
展示解説パネルの文字情報や、世界各地の儀礼・生活風景を記録した映像ブース(ビデオテーク)を丁寧に視聴しながら進むと、1つの地域エリアを抜けるだけで1時間近くを消費します。一般的な鑑賞スタイルごとの所要時間目安は以下の通りです。
- 駆け足ダイジェスト見学:約2時間〜2時間30分(全体を早足で歩き、主要な大型モニュメントや象徴的展示のみをチェックするコース)
- 一般的な標準見学:約3時間30分〜4時間30分(気になった解説を読みつつ、途中でカフェ休憩を挟みながら回るコース)
- じっくり探訪・学術派:5時間〜丸1日(解説文の精読、映像視聴、企画展やミュージアムショップを含めると開館から閉館まで滞在しても時間が不足するレベル)
初めて訪れる際は、「今日はアジアとアフリカに集中する」「まずは全体を散歩気分で俯瞰する」といった割り切りを持つことが、途中で疲労困憊にならないための知恵といえます。