神社の鳥居をくぐる前に知っておくべき基本が、その正式な呼び名と歴史的背景です。賀茂御祖神社の読み方は「かもみおやじんじゃ」が正しく、宮内庁や神社本庁の公的記録にもこの名で登記されています。一般に広く定着している「下鴨神社」という呼び名は、鴨川の下流に鎮座している地理的特徴から生まれた愛称・通称です。
社伝および古代の地誌『山城国風土記』逸文によると、その起源は平安遷都(794年)をはるかに遡ります。境内に広がる糺の森周辺の発掘調査では、縄文時代後期の土器や弥生時代の住居跡、祭祀遺構が多数出土しており、文字記録が残る以前からこの地が聖なる祭祀場であった事実が考古学的にも証明されています。
崇神天皇7年(紀元前)には神社の瑞垣が修造された記録が残り、延暦13年(794年)の平安京遷都に際しては、桓武天皇が王城鎮護の神として行幸。国家の命運を左右する特別な社位「正一位」を授けられ、伊勢神宮に次ぐ皇室の第二宗廟として篤い崇敬を集めてきました。