診療所の実質的なカラーを決めるのは、トップである院長の職歴とパーソナリティに他なりません。山内診療所の院長経歴を紐解くと、基幹病院や高度医療機関で消化器・循環器などの急性期医療を長年経験したのち、地域包括ケアに軸足を移した足跡が確認できます。
記者発表会や医療従事者向けのシンポジウム等で語られた発言録を掘り起こすと、院長は一貫して次のように語っています。
「高度医療で命を取り留めた患者さんが、退院後に地域で孤立し、生活習慣を崩して再発を繰り返す現場を嫌というほど見てきた。町医者の役割は、検査機器に頼り切る前のわずかな兆候を五感で察知し、患者自身の生活を変える伴走者になることだ」
この診察室での対話姿勢は、人によっては「端的でない」「雑談が多い」と受け取られるリスクを孕んでいます。しかし、病態の根本を見抜くための問診プロセスこそが同院の生命線であり、単なる薬の受け渡し窓口を求める患者との間に感覚のギャップを生む原因となっているのが実状です。