雨の降り方を客観的に捉える指標が、呉測候所(現・特別地域気象観測所)などで計測される呉市アメダス降水量データの実測値です。数字の裏にある「地盤の保水限界」を読み取ることが防災の急所となります。
雨の危険度は「短時間の猛烈な強さ」と「何日も降り続く累積雨量」の掛け算で決まります。特に呉市の土壌は風化花崗岩(マサ土)が広く分布しており、水を含むと一気に結合力を失ってドロドロの泥流と化す脆弱性を秘めています。このため、累積雨量が100mm〜150mmを超えた状態で時間雨量30mm以上の追尾豪雨があると、表層崩壊が同時多発するトリガーを引きかねません。
気象台と広島県が共同で発表する呉市土砂災害警戒情報は、まさにこの土壌雨量指数が危険基準値に到達したことを示しています。裏山からの異音、湧き水の濁り、腐葉土の焦げたような異臭といった前兆現象が現れたときは、すでに崖崩れが間近に迫っています。