同社のルーツを辿れば、日本近代資本主義の父と称される渋沢栄一の創業精神に行き着く。民間初の海上保険会社として産声を上げた東京海上は、常に日本の産業インフラを底辺から支える防波堤だった。しかし、利益至上主義やシェア拡大競争に明け暮れる昨今の業界事情は、その高潔な理念から乖離していないだろうか。
巨大化を遂げた今だからこそ、原点への回帰が問われている。災害時の迅速な保険金支払いや、中小企業のリスクマネジメント支援といった「共助」のインフラとしての役割。単なる収益事業としてではなく、社会的なセーフティネットとして機能し続けられるかどうかが、ブランドの真価を左右する。