会談の成否を分ける日米首脳会談 議題の主軸は、安全保障と経済の2大領域に完全に二極化しています。かつてのような親善目的のフリートークは一切存在せず、双方の実務陣が綿密に練り上げたアジェンダに沿って進行します。
第一の柱は、日米安全保障条約の現代的アップデートです。自衛隊の「統合作戦司令部(JJOC)」発足に伴い、在日米軍司令部の権限改編と日米共同部隊のシームレスな運用体制がどこまで具体化するかが最大の焦点となります。台湾海峡の平和と安定、南シナ海における航行の自由、北朝鮮の弾道ミサイルおよび核開発への抑止力維持について、両首脳が共同メッセージを発信することは既定路線ですが、双方がどこまで踏み込んだ軍事運用の統合に踏み切るか、防衛官僚の間で神経戦が続いています。
第二の柱として浮上しているのが、緊迫の度を増す経済安全保障 協議です。AIや先端半導体、量子コンピューティングなどの戦略物資において、特定国への過度な依存を断ち切る「デリスキング(リスク低減)」の足並みをどう揃えるかが問われます。米国側が求める対中輸出管理の強化要請に対し、日本側が国内基盤産業へのダメージを抑えつついかに折り合いをつけるか。首脳同士の直談判による政治的妥協の行方が注視されます。