『呪術廻戦』の物語を締めくくった第271話のサブタイトルは「これから」。宿儺との死闘という超大規模なスペクタクルから一転し、描かれたのは虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇の1年生トリオによる、一見すると些細な「呪詛師退治の任務」でした。
ネット上の海外リーク速報では直前まで「宿儺の完全消滅に伴う呪術界の崩壊」や「世界規模の新たな敵の出現」といった派手なクライマックスが噂されていましたが、芥見氏が選んだのは原点回帰のロードムービー的な手触りでした。ターゲットとなったのは、顔を変える術式で交際相手を騙していた呪詛師。3人はコミカルな掛け合いを交えながら事件を解決に導きます。この構成は、過酷な宿命を背負わされ続けた彼らが、ようやく「どこにでもある青春と日常」を取り戻したことを象徴していました。
そして虎杖悠仁のラストシーンは、ある小祠に安置された木箱へと収束します。そこにはかつて虎杖が呑み込んだものと同じ、両面宿儺の最後の指が厳重に封印されていました。物語の第1話「両面宿儺」で始まった呪いの連鎖は、第271話において再び「封印」という形で円環を閉じます。ただし第1話と決定的に異なるのは、指の傍らに供えられた一輪の花です。それは呪いを生み出す人間の業を否定し去るのではなく、背負ったまま生きていくという虎杖の静かな決意を示していました。