近年のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ業績発表を時系列で辿ると、同社の収益構造が劇的な地殻変動を起こしている事実が明確になります。かつてパソコン用CPU「Ryzen」の売れ行きに左右されていた企業体質は、今や完全にデータセンター主導型へとシフトしました。
牽引役となったのが、フラッグシップAIアクセラレータ「Instinct MI300X」およびその改良モデルです。高帯域幅メモリ(HBM3)を惜しみなく搭載し、大規模言語モデル(LLM)の推論領域において競合を凌駕するコストパフォーマンスを打ち出しました。決算カンファレンスコールでリサ・スーCEOが誇らしげに語った「データセンター向けGPU事業が社内最速で数十億ドル規模に達した」という実績は、決して誇張ではありませんでした。
AMD決算速報を精査すると、ゲーム機向けカスタムチップ(PlayStationやXbox向け)の周期的な需要低迷を、データセンター部門の爆発的成長が完全に相殺している構図が浮き彫りになります。CPU市場で築いた信頼関係が、サーバー用GPUの導入ハードルを劇的に下げている点は見逃せません。