吉村紗也香の経歴において、最大の壁であり続けたのがオリンピック出場枠をめぐる国内の熾烈な争いです。ロコ・ソラーレとの代表決定戦でフルセットの死闘の末に敗れた記憶は、多くのカーリングファンの脳裏に焼き付いています。
一部のネット論調では「五輪に出場できなかった実力派」と片付けられることがあります。しかし、これは日本女子カーリングのレベルが世界最激戦区であるがゆえの歪んだ見方に過ぎません。当時の日本代表決定戦は「世界選手権の決勝よりレベルが高い」と海外メディアから評されるほどの超高水準な争いでした。
彼女自身、敗戦後の特番インタビューで「あの悔しさがなければ、今のチームの進化も、自分自身の成長もなかった」と述懐しています。負けの歴史から逃げず、チームの戦術体系を根本から見直したことが、現在のフォルティウスの粘り強いプレースタイルを築き上げました。