大谷翔平が6年間在籍したロサンゼルス・エンゼルスを離れる決断を下した根底には、チームの勝利に対する極めて純粋で切実な飢餓感がありました。2021年シーズン終盤、大谷自身が公の場で残した「ファンも好きですし、球団自体の雰囲気も好きではある。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強い」という言葉は、退団への決定的なプロローグでした。
エンゼルス時代、大谷はマイク・トラウトとともに球界屈指のスターデュオを形成しながらも、チームは一度もポストシーズンに進出できず、8月・9月には事実上の消化試合を戦い続ける現実が続きました。報道各社の取材データによると、大谷が移籍先選定において代理人のネズ・バレロ氏に提示した最優先条件は、「フロントからマイナー組織に至るまで、毎年ワールドシリーズ制覇を狙える組織的基盤があること」でした。
2023年夏のトレード期限前、エンゼルス首脳陣は大型補強を敢行して勝負に出たものの、主力選手の故障離脱が相次ぎ大失速。さらに大谷自身も右肘靭帯を損傷する過酷なシーズンとなりました。勝てるチームへの脱皮が果たせなかった組織構造の限界を目の当たりにし、大谷翔平の移籍理由は「選手寿命の全盛期を勝利のために捧げる」という不可逆の結論へと至ったのです。