2006年秋の高校生ドラフト会議は、二人の運命が再び交差した決定的な一日でした。甲子園の申し子として脚光を浴びた田中将大は4球団競合の末に東北楽天ゴールデンイーグルスへ、坂本勇人は堂上直倫の外れ1位指名として読売ジャイアンツへと入団します。
高卒ルーキーイヤーから一軍のマウンドで圧倒的な輝きを放ち、新人王を獲得した田中に対し、坂本は2年目の2008年に巨人の正遊撃手に定着。セ・パ両リーグで瞬く間にスターダムへと駆け上がった二人は、2009年以降のオールスターゲームで親密に言葉を交わす姿が恒例となり、野球ファンを歓喜させました。
日本代表(侍ジャパン)のユニフォームを着た際、二人のコンビネーションはさらに研ぎ澄まされました。2013年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、2017年WBC、そして悲願の金メダルを獲得した2021年東京オリンピック。国際舞台の緊迫したグラウンドで、ピンチの場面にマウンドの田中に歩み寄り、笑顔で肩を叩く坂本の姿は、少年時代のバッテリーそのものでした。過密日程とプレッシャーに晒される代表戦において、幼馴染の存在は互いにとって最大の精神的支柱となっていました。