なぜキーエンスは無名の中小企業から、世界中の工場を支える怪物企業へと飛躍できたのか。その中核には、滝崎武光氏が考案した3つの革新的なビジネスモデルがあります。
第一に「ファブレス経営(工場を持たない製造業)」です。生産設備を自前で抱えず外部委託することで、設備投資負担と固定費リスクを極小化。市場の変化に即応できる柔軟性を確保しました。
第二に「直販体制(代理店を介さない直接販売)」です。顧客企業の現場へ直接足を運び、製造ラインの課題をダイレクトにヒアリングすることで、中間マージンを排除しつつ圧倒的な顧客解像度を獲得しました。
そして第三が「顕在ニーズではなく、潜在ニーズを捉えた新商品開発」です。滝崎氏は「顧客が欲しいと言っているものを作っていては付加価値は生まれない。顧客自身も気づいていない課題を解決して初めて高価格・高利益率が成立する」と説き、企画する商品の約7割が世界初・業界初となる開発ルールを徹底させました。