テレビドラマ業界において、泉ピン子という女優を語る上で欠かせないのが、大物脚本家の橋田壽賀子と名プロデューサーの石井ふく子の存在だ。二人が手掛けた数々の名作において、泉は常に「代えの利かない中心人物」として重用されてきた。
橋田壽賀子が書く長大な長台詞を、感情を乗せて完璧に暗記し演じ切ることができる役者は、そう多くない。石井ふく子もまた、彼女の現場での度胸と演技の引き出しの多さを高く評価していた。作り手側からの絶大な信頼があったからこそ、何十年にもわたり第一線でドラマの主演・助演を張り続けることができたのだ。