沖縄代表の試合が行われる日、沖縄本島の街からは人影が消えると言われる。スーパーや食堂のテレビ前には人が集まり、タクシーのラジオからは中継の音声が流れる。この「全島熱狂」とも呼ぶべき現象は、令和の今も変わらない。そして阪神甲子園球場のアルプススタンドに鳴り響く指笛と「ハイサイおじさん」の軽快なリズムは、関西在住の沖縄出身者や全国の沖縄ファンを巻き込み、球場全体を一種の「ホーム」に変えてしまう。
この独特の応援文化は、グラウンドで戦う選手たちに絶大な心理的アドバンテージを与える。圧迫感のあるアウェイの雰囲気を跳ね返し、土壇場での逆転劇を生み出す原動力となっているのは、間違いなくこのスタンドからの熱気だ。地域社会とチームが一つになる圧倒的な一体感は、他の都道府県にはない沖縄ならではの強みと言える。