彼女の歩みを語る上で、数々の名作歴史ドラマで見せてきた気品あふれる立ち振る舞いは外せない。中でも爆発的なヒットを記録した『善徳女王』で見せたマヤ夫人役の熱演は、今なお語り継がれる伝説的な名シーンを生み出した。国家の波乱に翻弄されながらも、母としての温もりと王妃としての尊厳を保ち続けた演技は、当時の観客の心を激しく揺さぶった。
本格的な時代劇において、彼女ほど画面に歴史の深みともたらす俳優は極めて稀である。煌びやかな衣装に負けない芯の強さ、そして静かなセリフ回しの中に潜ませる激しい情念。その確かな表現力は、その後の韓国時代劇における最高峰の基準を作り上げたと言っても過言ではない。