彼の真骨頂は現代劇にとどまらない。NHK大河ドラマをはじめとする本格的な時代劇においても、数々の名場面を生み出してきた。『葵 徳川三代』で演じた徳川秀忠や、『八重の桜』での西郷頼母、『鎌倉殿の13人』で見せた後白河法皇など、歴史上の重要人物を息もつかせぬ存在感で体現してきた。
重厚な時代劇の世界観において、威厳と人間的な滑稽さや弱さを同時に表現できる俳優は極めて稀である。NHKの大型歴史劇において彼が重用され続けた理由は、ただ台詞を唱えるだけでなく、その人物が生きた時代の空気そのものを画面上に再現できる圧倒的な説得力があったからにほかならない。