焼きたての熱々干物ペーストをサンドしたクラフトバーガー、創業80年の和菓子店が手掛ける限定の搾りたてモンブラン。いま熱海の街を歩いて目に飛び込んでくるのは、写真映えを狙った新感覚のワンハンドフードだ。一見すると若者向けのポップな観光地に思えるが、その舞台裏には老舗と若手起業家の濃厚な協力関係がある。
「最初は『またすぐ消えるブームだろう』と冷ややかに見ていた」と語るのは、仲見世通りで半世紀以上暖簾を守る鮮魚店の三代目店主だ。しかし、東京から移住してきた20代の起業家たちが提案したのは、余剰となった小魚や規格外の地魚を利活用したスナック開発だった。伝統の味と知恵を若い感性がパッケージングし直すことで、若い層が干物文化に触れる入口が生まれたのだ。