横須賀の邸宅で過ごした少年時代、父・純一郎は多忙を極めていた。単親家庭という環境のなかで、孝太郎は弟の小泉進次郎にとって兄であり、時に親代わりのような存在でもあった。家庭内で政治の話題が上ることはほとんどなかったというが、父親の後姿そのものが生き方の教科書だった。
やがて弟の進次郎は父と同じ道を選び、自由民主党の若手エースとして政界の渦中へと飛び込んでいった。一方で、表現者の道を選んだ孝太郎。政治家としての血脈を継ぐ弟と、芸能界という自由な世界で個性を咲かせる兄。二人の進路が分かれた瞬間も、父・純一郎は静かに微笑み、それぞれの決断を全面的に支持したという。引き際の美学を知る元首相の教えは、兄弟それぞれのフィールドで今も力強く息づいている。