卒業式当日の朝。カレンダーには「あと0日」、あるいは「今日、旅立ちの日」という大きな文字が躍る。
そこには、もう減っていく数字はない。残されたのは、積み重ねてきた思い出と、未来へ踏み出すそれぞれの覚悟だけだ。教室で過ごした何気ない時間、テスト前の焦り、行事で叫んだ歓声。それらすべてが1枚1枚のカレンダーに刻まれ、過去の宝物となっていく。
「カレンダーをめくるたび切なくなったけれど、最後の1枚を見たとき、不思議と前を向く勇気が湧いてきました」
式を終えた生徒たちは、大事に保存したカレンダーの写真や紙を愛おしそうに眺めながら、慣れ親しんだ校門を後にする。