片山怜雄という人物を語る上で欠かせないのが、俳優業からの完全な撤退と、その後の劇的なキャリアチェンジだ。ドラマ出演で顔を知られた彼だったが、結婚と前後して表舞台から姿を消した。裏方への転身である。
「俳優としての自分に限界を感じていたわけではない。むしろ、言葉を作る側、作品を生み出す側に強い魅力を感じていた」と周囲に漏らしていたという。エンターテインメントの華やかな表舞台から一歩引き、執筆活動や制作業務へと足を踏み入れた彼の決断は、当時の若手俳優としては極めて珍しい選択だった。表舞台の脚光に執着せず、己の感性を信じて裏方に徹する姿勢は、業界内でも高く評価されることになる。