流行の発信源として常に注目を集める若者層の動向にも、興味深いパラドックスが見られる。トレンドの最前線を追う株式会社SHIBUYA109エンタテイメントの独自調査データを紐解くと、デジタルネイティブである彼らが求めるのは、皮肉にも「アナログな手触り」や「過去へのノスタルジー」であることが浮き彫りになる。
その象徴が、形を変えながら進化を続けるY2Kファッションの熱気だ。2000年代初頭のストリート感や大胆なシルエットを取り入れつつ、単なる過去の焼き直しではなく、ジェンダーレスで自由な自己表現の手段として再解釈されている。
ローライズデニムやクロップド丈のトップス、レトロなデジカメの粗い画質。完璧に加工されたデジタル世界に疲れた若者たちは、少しの不完全さやレトロな温もりにこそ、本物のクールさを見出している。