普段はさくらの部屋の引き出しをベッドにし、ゲームに熱中しながらたこ焼きやプリン、ホットケーキなどのスイーツを貪り食うケロちゃん。しかし、火(ファイヤー)と地(アース)のカードを回収し、本来の魔力を取り戻したときに見せる「真の姿」は、それまでのコミカルさを完全に払拭する迫力を誇ります。
真の姿は、黄金色に輝く毛並みを持つ巨大な有翼の獅子です。額には硬質な防具を思わせる装甲が輝き、背中には白く巨大な翼が広がります。口からは猛烈な業火を放ち、肉弾戦でも圧倒的な戦闘力を発揮します。ギリシャ神話における「地獄の番犬(3つの頭を持つ猛獣)」という恐ろしげな伝承をベースにしつつも、クロウ・リードの美学によって、優美で神々しい獣の姿へと再構築されている点が特徴的です。
このケルベロスと絶妙なコントラストを描くのが、クロウ・リードの生まれ変わりである柊沢エリオルが創り出した従者、スピネル・サン(愛称:スッピ)です。
黒豹の姿を持つスピネル・サンは「月」の魔力を引き継ぎ、普段は蝶の羽を持つ小さな黒猫のような姿をしています。冷静沈着で読書を好む優等生タイプですが、ひとたび甘いものを口にすると泥酔状態に陥り、狂乱の大暴走を引き起こすという致命的な弱点を抱えています。ケロちゃんとは顔を合わせるたびに軽口を叩き合う腐れ縁のような関係でありながら、有事の際には互いの力量を認め合う好敵手として描かれます。太陽の獣(ケロちゃん)と月の獣(スピネル)のコントラストは、物語後半のコミカルな日常とシリアスな魔法戦を繋ぐ絶妙なスパイスとなりました。