タマカタカイガラムシの防除を成功させる鉄則は、殻を持たない無防備な時期、あるいは活動が停止している休眠期を狙い撃つことです。チャンスは年に2回訪れます。
最大の防除適期となるのが、5月中旬から6月上旬にかけての幼虫ふ化期です。親の殻の下でふ化した幼虫(体長1ミリメートル未満)は、新天地を求めて一斉に殻の外へ這い出し、新しい枝や葉の付け根へと移動を始めます。この「歩行幼虫」の段階では、まだ体を守る硬い殻が形成されておらず、全身がむき出しの状態です。このわずかな期間に薬剤を散布すれば、少量の薬量でも劇的な駆除効果が得られます。
もうひとつの決定的な好機が、落葉後の12月から翌年2月にかけての越冬期です。木が休眠に入り、葉が落ちて枝の隅々まで見通しが利くこの時期は、枝に固着して越冬している幼虫や未成熟な虫を一網打尽にするチャンスとなります。葉がないため薬液が枝幹全体にムラなく付着し、高い防除効率を達成できます。