「なぜこれほど売れっ子が辞めていくのか」という疑問に対し、退所したタレント自身の発言や現場関係者の取材を重ねると、外側から見える景色とは全く異なる実情が浮かび上がってきます。
トリンドル玲奈や中村アン、筧美和子らの退所コメントを精査すると、共通しているのは「30代という人生の節目における挑戦」と「事務所への感謝」です。一般的な芸能事務所の「泥沼退所」に見られるような、契約解除に伴う芸名の使用制限や、テレビ番組への出演圧力といった露骨な報復措置は確認されていません。退所後も元所属タレントが民放ドラマの主演やキー局のバラエティ番組に何食わぬ顔で出演し続けている事実こそが、関係の良好さを物語っています。
元所属タレントの手記やインタビューでも、「自由に挑戦させてくれた」「若い頃の無茶を根気強く支えてくれた」という評価が散見されます。一方で、現場のマネージャー不足や、売れっ子に仕事が集中しすぎる体制に対する不満が退所の一因になったという証言もあります。スカウトで発掘し、初期投資を行ってブレイクさせる「育成力」には定評があるものの、ベテラン期に入り個人レーベルやセルフプロデュースを求めるタレントを囲い込み続けるシステムとしては、時代の変化に追いついていなかった側面は否めません。