世界最高峰のNBAの舞台には、歴史に名を刻むフリースローの名手が数多く存在します。歴代の記録を紐解くと、フリースローの精度がどれほど驚異的なレベルに到達しうるかが浮き彫りになります。
NBAの単一シーズンにおける最高フリースロー成功率の記録を保持しているのは、ホセ・カルデロンです。2008-09シーズンにおいて、カルデロンは成功率98.1%(154本中151本成功)という人間離れした数値を叩き出しました。
通算キャリア記録を見ても、スティーブ・ナッシュ(通算90.4%)やマーク・プライス(通算90.4%)、そして現代のオフェンスに変革をもたらしたステフィン・カリー(通算90%以上を維持)など、歴代屈指のシューター陣は例外なく9割を超える決定力を維持し続けています。かつてリック・バリーが下から両手ですくい上げるように放つ「アンダーハンド(通称:おばあちゃんシュート)」でキャリア90.0%を記録したエピソードも、再現性を追求する上での伝説として知られています。
一方で、シャキール・オニールやデアンドレ・ジョーダンのようにフリースローを極端に苦手とする支配的センターに対し、終盤にあえてファウルを仕掛けてフリースローを打たせる戦術「ハック・ア・シャック」が生まれた歴史もあります。フリースローの成否が戦略レベルで勝敗を揺るがす事実を雄弁に物語っています。