ほうれん草をまとめ買いした際に直面するのが、劣化の早さと保存の難しさだ。ここで応用したいのが、急速冷凍技術を駆使する食品産業のノウハウである。
生のまま冷凍庫へ入れるのではなく、固めに下茹でして冷水にとり、しっかりと水気を絞った状態から小分けにする。水分が表面に残っていると霜がつき、解凍時に細胞が破壊されて食感がグズグズになってしまう。ラップで空気が入らないようピッチリと包み、金属トレーの上に並べて一気に凍らせることで、組織の損傷を最小限に食い止めることができる。
調理時は自然解凍を避け、凍ったまま味噌汁の鍋に放り込むか、熱いフライパンに直接投入するのがベストだ。組織内の水分が抜け出す前に一気に熱を通すことで、採れたてのような歯ごたえと鮮烈な緑色が蘇る。