1990年代のテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で提示された未完の謎と鬱屈としたテーマは、時を経て新たな解釈へと昇華された。監督を務めた庵野秀明と、彼が設立した制作会社である株式会社カラーは、劇場版シリーズを通じて物語の再構築に挑んだ。
完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』において、使徒やエヴァンゲリオンという呪縛からの解放が描かれたことは極めて象徴的だ。長年ファンを悩ませてきた数々の裏設定は、単なる謎解きのパーツにとどまらず、主人公・碇シンジが他者との断絶を乗り越え、現実の世界へと足を踏み出すための感情的リアリティへと集約されていった。