「鳴かない」と言われ続けてきた最大の理由は、その音響特性にある。彼らの発する音は「ハミング(鼻歌のような低音)」であり、主として人間が知覚しにくい92ヘルツ前後の低周波で構成されているのだ。
日中、キリンは視覚に頼って広大な空間で互いを認識している。しかし視界が遮られる夜間になると、周囲を警戒しながら低い周波数の音を出し、お互いの位置や存在を確認し合う。子牛に向けた「モ〜」という牛のような求愛・警戒の声や、鼻を鳴らす「フッフッ」という短音もあるが、夜間に数時間にわたって継続するハミング音の発見こそが、従来の常識を揺るがす最大の衝撃となった。