フィクションの世界は、容姿に取り憑かれた社会の暗部を誰よりも残酷に、かつ正確に描き出してきた。岡崎京子の原作を映画化した『ヘルタースケルター』は、全身整形で手に入れた究極の美貌によって頂点に君臨しながら、消費され尽くして崩壊していく主人公りりこの姿を通じ、他者の視線なしには存在できない人間の虚無を鮮烈に叩きつけた。
さらに近年、世界的な反響を呼んだNetflixの韓国ドラマ『マスクガール』は、外見至上主義が個人の人格をいかに破壊し、狂気へと追い詰めるかを徹底したリアリズムで活写した。昼は地味な会社員、夜はマスクで顔を隠したライブ配信者として生きる主人公の破滅劇は、承認欲求とルッキズムが結託した現代の地獄絵図そのものである。これらの作品が支持される背景には、鑑賞者自身が日常で感じている「顔による値踏み」への恐怖と共感が存在する。