数学の枠組みを超えた円周率の神秘性は、エンターテインメントや映像作品の題材としても繰り返し取り上げられてきた。その代表例が、カルト的評価を誇る映画『π』(ダーレン・アロノフスキー監督)である。作品内では、株式市場の予測や宗教的暗号を追う天才数学者が、216桁の数字の謎に憑りつかれ、狂気へと呑み込まれていく緊迫した心理描写が強い印象を残した。
さらに映像配信プラットフォームのNetflixで配信された科学ドキュメンタリー作品などでも、円周率の桁数更新に人生を捧げる研究者たちの情熱や、無限の並びの中に自分の生年月日を探す人々の人間模様が描かれている。数字という客観的なデータが、人間の感情やストーリーと結びつくことで、文化的アイコンとしての地歩を固めている。