この挑戦的な建築を手掛けたのは、アトリエ・天工人(テクト)を主宰する著名な建築家・山下保博氏です。山下氏は土をはじめとする自然素材を用いた建築研究の第一人者であり、東京大学大学院との共同研究などを通じて、環境負荷の少ない未来の建築素材としての「土」の可能性を長年追究してきました。
山下氏が目指したのは、単なるテレビ向けの奇抜なデザインではなく、以下の明確な建築思想に基づいたものでした。
- 地産地消の建築:遠くから新建材を運ぶのではなく、その土地の土を資源として活用する。
- 100%自然に還る素材:将来的に解体される際も、産業廃棄物を出さず土へと戻る循環型システム。
- 強固なシェル構造:壁と天井が一体となった連続体により、地震などの外力に耐えうる強度を確保する。
建築界において本プロジェクトは高く評価され、複数の建築賞候補に挙がるなど、学術的・技術的なマイルストーンとなりました。一方で、一般的なハウスメーカーが提供する「全館空調で手入れ不要な快適空間」を基準とする視聴者との間に、大きな価値観のギャップが生じたことが、ネット上での激しい賛否両論につながったと言えます。