本作が日本のテレビドラマ界に与えた衝撃は計り知れない。野木亜紀子の脚本は、法医学という専門性の高いテーマを扱いながら、スピード感あふれる会話劇と多重構造のミステリーを完璧に融合させた。1話完結の医療エンターテインメントの体裁を取りながら、裏で進行する「赤い金魚事件」のピースが徐々に組み合わさっていく構成美は圧巻の一言に尽きる。
さらに塚原あゆ子監督による映像美と心理描写の巧みさが、物語の緊張感を極限まで高めた。陰鬱になりがちな解剖室の描写に瑞々しい生活感を与え、死を扱うからこそ「生きること」の尊さを際立たせる演出手法は、サスペンスドラマの新たなスタンダードを確立したといえる。