ベゾスのパートナーを語る上で避けて通れないのが、創業期を支えた前妻マッケンジー・スコットとの対比だ。2019年の歴史的離婚劇を経て手にした巨額のAmazon株式を背景に、マッケンジーは「ギビング・プレッジ」への署名と共に、ノーアポイント・無条件での数十億ドル規模の寄付を淡々と実行し続けている。メディアへの露出を極力避け、静寂の中で富を再分配する彼女の手法は、慈善活動界に革命を起こした。
一方、ベゾスとサンチェスが推し進める慈善活動は、極めてビジブルでインパクト重視型だ。100億ドル規模の「ベゾス・アース・ファンド」やホームレス支援の「Day 1 Fund」など、彼女の広報戦略が前面に出ている。推定2000億ドルとも言われるベゾスの莫大な資産は今、マッケンジーの「静かなる直接分配」と、サンチェスと共に進める「可視化された大規模基金」という、対照的な二つのベクトルによって社会へと環流されている。